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ホーム 魅せる!陳列方法(陳列の基本について)
① 陳列の基本

店頭販売において、陳列は最も重要な仕事のひとつです。物があふれ競合店がひしめく中で、選ばれる店、リピートしてもらえる店になるには、商品の演出が欠かせません。

ディスプレイというと、商品を見栄え良く飾ることと思いがちですが、売場における陳列の意味はそれだけではありません。商品を「見せる」だけではなく、お客様の購買意欲を高めるように「魅せる」ことが大切です。店を訪れてくれたお客様の、目を引き、足を止め、商品を手に取ってもらうことができる魅力的な陳列方法を考えていきましょう。

1.陳列の基本
  どんなに美しく並べられていても、どんなに手に取りやすく配置されていても、それがお客様の求めている商品でなければ、その陳列の演出や工夫は無意味です。どのようにすればお客様の役に立つかを、第一に考えるべきです。それには、まず何を、どのくらい、どのように陳列するかを順序立てて検討していくのが近道です。

☆何をならべるのか ― 陳列商品を選ぶポイント

お客様にまず何を見せるのか。陳列の要となるポイントを確認しておきましょう。

①お客様の求めている商品
季節に合った商品、流行に沿った商品など、お客様が「今」求めている商品を揃えておくことが基本となります。リサーチを欠かさず、常に時流を読む必要があります。

②話題性のある商品や新商品
テレビや雑誌などマスコミで話題になった商品や新商品を、実際に見て確かめたいお客様のニーズに応えましょう。迅速な情報収集がカギとなります。

③店側からお薦めする商品
商品をただ並べてお客様から選んでもらうのを待つだけではなく、店側の意見や主張を打ち出しましょう。競合店との差別化を図るには欠かせない要素です。

④店の特色を出す商品
同じ系列の商品を扱っていても、店の個性によって陳列方法は大きく変わります。ターゲットとなるお客様に合わせたイメージを演出することが大切です。

☆どのくらい並べるのか ― 陳列量を決めるポイント

何を並べるのかを決めたら、それらのアイテムをどのくらい並べるのかも問題となります。

○売れるものは多く売れないものは少なく
どのような店、どのようなアイテムでも、陳列量を決定する鉄則です。これを判断するには、売上げを品目ごとに把握しておかなければなりません。品目ごとに細かく数量を調整することで、常に「品揃えの良い」売場を保つことができるのです。
※品目とは…商品管理上最小単位の項目のことで、単位品目とも呼びます。

例1)食料品店のおにぎり売場に、梅、鮭、昆布、明太子、ツナマヨと5種類のおにぎりがある場合、この売場には「5品目」あるということです。
当然、これら5品目のおにぎりの売上数は同じではありません。最も売れるおにぎりが営業時間中に売り切れてしまったら、そこは4品目しかない売場となってしまいます。そうすると売場自体が力をなくし、他のおにぎりの売上も下がってしまいます。

例2)衣料品店の婦人用定番カットソー売場に、長袖Tシャツ、半袖Tシャツ、キャミソールの3種類が、ホワイト、ブラック、ピンク、ミントグリーン、ペールブルーの5色で展開されている場合、この売場には3×5で「15品目」あるということです。
通年の売れ筋で考えればTシャツを、またカラーでいえば定番色のモノトーンの量を多くするべきでしょう。また、冬には長袖、夏にはキャミソール、さらに春先には店側からの「お薦め」としてのパステルカラーなど、季節によっての増量も必要となってきます。

取扱い品目とその量を決めていくには、売上データを見て調整していくしかありません。
商品回転率と適正在庫を常に確認し調整していくことは、商売の基本としてしっかりと押さえておきましょう。

①週単位で動く品目に絞る
商品にもよりますが、同じ商品の他の品目と比較して極端に動かない品目は、取り除いていくべきでしょう。
例えば、他の品目が週10から20個単位で売れる中で、月にひとつくらいしか売れないような品目は、品揃えの一環としての価値も低いと考えられます。速やかに排除し、その分を売れ筋の充実や新たな品目の追加に当てましょう。

②品目ごとの数量を決める
ある程度売れる品目に絞ったら、それぞれの販売量に比例した陳列量を決定していきます。
例えば総菜パンの一週間の販売数が、カレーパン600個、ピザパン400個、てりやきチキンパン200個であったとすれば、その陳列量は3対2対1にするのが原則です。品目ごとの商品回転率を一定にし、全体の売上げを上昇させていくことが目的です。

③品切れに注意する
品切れとは、ある商品の在庫が無くなってしまったという状態ばかりではありません。お客様に充分アピールできる「品揃え」つまり「最低陳列量」を割ってしまった売場は、品切れ状態と同様に売れ行きが止まってしまいます。
例えば、12個ずつ陳列してあったケーキ15種類がそれぞれ半分くらいに減っても売れ行きは変わりませんが、残り2、3個ずつになったら急に売れなくなってしまうかもしれません。また、人気商品から品切れしてしまい残りが10種類を切ったら、売れ行きペースが落ち込んでしまうかもしれません。それは「最低陳列量」を割ってしまったということであり、商品が残っていても「品切れ」と変わらない状態だといえます。
品切れを回避して効率良く販売するためにも、各アイテムの適正在庫を見極めることが大切です。

☆どのように見せるのか ― 陳列技術のポイント

同じ広さの売場、同じ販売商品でも、見せ方次第で売上は変わってきます。坪効率(1坪当たりの売上)を高め、効率良く売上げを伸ばすためには、いくつかの基本技術があります。

○フェイシングの技法
売場に陳列できる商品数には限りがあります。この「限界陳列量」の範囲内で、何をどれだけ陳列するかの割当(陳列量割合)が「フェイシング」です。
例えば、10列分並べられる陳列スペースに5色のタオルを各色2列ずつ並べた場合、2フェイシングずつ陳列したということになります。均等に並べると見た目が整って美しいので、多くの店で実際に行われている方法です。しかし5色のタオルの売上げが均等でない限り、フェイシングの技法としては的確ではありません。ここでも大切なのは、お客様に求められている商品をより多く見せることです。
その構成比は、売上構成比とほぼ同じにすることが原則となります。したがって、どのくらいのスペース(列数、棚数)をとって陳列するかは、その商品の売上構成比×総棚段数となります。

例1)商品:タオル 
売上構成比:ホワイト30%、ブルー30%、ピンク20%、ベージュ10%、グレー10%
陳列可能列数:10列

→ホワイトとブルー各3列、ピンク2列、ベージュとグレー各1列の割合で並べます。

売場全体のフェイシングの割合も、同様の方法で算出します。例えば、50種類もの鞄を扱っている売場でも、一番売れ筋の商品を多く見せるべきなのです。

例2)商品:鞄部門総売上の10%を占めるオリジナルトートバッグ
鞄売場全体の陳列棚数:50段
陳列棚の割当数:0.1×50段=5段

→この鞄売場では5段分の棚を使ってオリジナルトートバッグを陳列します。

新商品や季節限定品、または店側からのお薦め商品を強くアピールしたい場合はこの限りではありませんが、多くの定番商品はこの原則に当てはめると良いでしょう。

○フェイスの見せ方
商品にはそれぞれ「フェイス」があります。その顔をどのようにお客様に見せるかによって、売場の表情も決まってきます。
求められている商品であれば、ただ積んでおくだけでもいいようなものです。しかし、同じ人間でもその表情や服装によって第一印象が大きく変わるように、商品もその見せ方によってお客様へのアピール度は大きく変わります。商品の最も良い顔を引き出す陳列を目指しましょう。

例)洋服の陳列
ラック什器にハンガー掛けする場合、横に陳列していくとほとんどデザインを見せることができません。いかにしてフェイスアウトする(全体を見せる)かが課題となります。
棚陳列の場合、袖や裾を折りたたんでフロント面を見せるのが定番です。しかし例えば、バックプリントがあるなら背中が見えるように、袖や裾にデザインのポイントがあるならそれが見えるようにたたまなければいけません。お客様は必ずしも手に取って広げてくれるわけではないからです。ひと目で特徴がわかるように「見せる」工夫を凝らしましょう。

○商品のパッケージデザイン
パッケージは、購入後に商品を取り出してしまえば無用となってしまうものです。しかしお客様の購買意欲を高めるためには欠かせない要素です。単に箱に入っているだけ、包装されているだけでは、お客様に向ける「顔」として無表情すぎるのではないでしょうか。
パッケージを作る場合はもちろん、すでにパッケージされた商品を扱う場合でも、陳列の仕方によって様々な表情を演出することができます。
その際に考慮すべきなのは、一点のみのサンプル陳列とは異なり、複数あるいは大量に並べた場合の見た目効果です。ずらりと並べたフェイスのもたらす迫力や、調和のとれた美しさで、訴求力を高めましょう。

○見せるデザインの基本
パッケージデザインというと難しく考えがちですが、各種透明袋を利用すれば、簡単かつ低コストで魅力的なパッケージを作ることができます。
透明感が魅力のOPP袋なら、ただ中身が見えるという以上に高級感や新鮮さを演出できるでしょう。
以下の3つのポイントを押さえて、商品の魅力をさらに引き出す工夫をしてみましょう。

①お客様にアピールしたいポイントを出す
商品の特性を表すポイントとなる部分や、色や形が一番美しく見える面を表に出したパッケージで、お客様にアピールしましょう。初対面では一番良い顔を見せるのが肝心です。
例えば、靴下なら形は見せなくてもわかるので、ポイントとなる柄や色が一番良く見える平面が見えるようにパックするのが基本です。しかし、形に特徴がある五本指ソックスなどはつま先が良く見えるようにパックし、ひと目で特徴を伝えることができるようにします。

②中身がよくわかるようにする
意図的に中身を隠すデザインでない限り、ひと目で中身がわかるパッケージは、お客様へ安心感を与えます。商品のサイズにぴったり合わせた透明袋を用いれば、最も簡単かつ効果的に中身を見せることができます。

③陳列がしやすい形にする
陳列のしやすさは、店側にとっての利便性のためだけではありません。少し触っただけで崩れてしまって元に戻しにくいような陳列では、お客様も躊躇して手が伸ばせなくなってしまいます。商品の特性にもよりますが、少しの工夫で形を安定させることができる場合もあります。例えば、バラバラになりやすいものや形状の不安定なものでも、適切な梱包材でパックすることで、安定感のある美しい陳列が可能になります。

☆どのように配置するのか — 陳列場所のポイント

商品をどの位置に配するかも重要です。大きいものを下に、小さいものを上に配置すれば、安定感があり見た目も美しくなります。しかし、それだけではお客様の役に立ちません。
陳列棚の前に立ったお客様の目線と動きを考えて、適切な配置を行いましょう。

○ゴールデンゾーン
通常、陳列棚には目に付きやすく手に取りやすい場所、しゃがんだり伸び上がったりしないと見えにくい場所があります。この目に付きやすく手に取りやすい場所(床から75~135mm)を「ゴールデンゾーン」と呼び、最もニーズの高い商品をこの位置に配するのが基本となります。それ以上の高さをショーイング(見せる)ゾーン、以下をストック(在庫)ゾーンと呼びます。
同じ商品を扱う店でも、ターゲットとなるお客様によって、ゴールデンゾーンの使い方は異なってきます。

例)袋入りのお菓子ペットボトル飲料
・郊外の大型スーパーマーケットの場合:家族で使うものをまとめ買いするお客様が多い
→ゴールデンゾーン:お徳用ファミリーパック、1.5リットルペットボトル
・オフィス街のコンビニエンスストアの場合:個人ですぐにいるものを買うお客様が多い
→ゴールデンゾーン:食べきりサイズ小袋、500ミリリットルペットボトル

○安定性と安全性の確保
お客様にストレスなく商品を手に取ってもらうためには、陳列の安定感も大切です。触ったら崩れてしまいそうなピラミッドを形成したり、高い位置に重量のある壊れものを置いたりするなど、手を出すのを躊躇させるような陳列方法は避けるべきです。
不安定な陳列は、商品の破損にもつながります。さらには、万一にでもお客様に怪我を負わせる原因とならないよう、充分な注意が必要です。

また、やわらかく形状を保ちにくいものや、滑りやすい素材のパッケージを重ねて置くと、陳列が不安定になりがちです。張りのある厚手の透明袋や、重ねても滑りにくいOPP袋などを上手に利用して、お客様はもちろん、陳列するスタッフのストレスを軽減しましょう。

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